入口としてのワークショップ|BAU西條クリニック

西條クリニックに開けられた小さな窓は世界を眺めるファインダーであり、もう一つの世界が向こう に広がっているというメッセージである。自分と世界との関係はもともと切り離されたものではないが、往々にして、我々は、自分の手に届く範囲だけを世界だと思ってしまったり、反対に世界と自分との距離を限りなく遠く感じたりしがちになる。

芸術家はあえてその感覚の中に身を曝し、自分自身の存在を反射しながらあぶり出したり、世界の形や行く先を発見しようと模索したりする。その過程で完成した芸術家の「作品」とはあくまで入口に過ぎず、その背後に広がる世界との関わりについては鑑賞者に、大きく委ねられている。

芸術家に限らず、職人や農民などが携わる古くから続く職業や役割にも、必ず洗練された「世界と関わる方法」がある。季節の移り変わりと共に変わっていくものが眼前の景色だけでは無いことをよく知っていた彼らの「方法」は、は季節ごとの祭事や労働歌の中にも垣間見ることができる。人が何世代もの年を重ね、ゆっくりと変化してきた技術とは、自然と呼応しながら環境に馴染むように生きていく、という高度に知的な「世界との関わり」の現れである。

西條クリニックではワークショップを広がる世界へと一歩踏み出す入口の一つとして捉え、提案する。 これらは、プログラムされた「時間割」の社会に再度の参画を促す支援とは目的を異にしている。重要なのは形式では無く、そこから世界の広がりを垣間見る試みそのものである。

入口としてのワークショップ
入口としてのワークショップ
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