さいくりブログ

西條クリニック 出張講演レポート(都立新島高校)

2025年7月14日、東京都立新島高等学校で「心の健康と睡眠」をテーマにした精神科講話を行いました。離島に精神科医が赴く機会はほとんどないため、学校側は島内外の関係機関にも告知し、体育館を会場に全校生徒や教職員、保健センター職員が集まりました。当院院長の西條朋行が講師として登壇し、精神疾患の基礎知識、睡眠の仕組み、ストレスとの向き合い方などを分かりやすくお話ししました。
 

出発時の様子

朝、新中央航空の小型機で新島へ向けて出発しましたが、台風が通過中で空港周辺は厚い雲に覆われ、飛べるかどうか心配になるほどでした。整備士の皆さんが念入りに点検してくださり、無事に離陸することができました。

出発時の様子
 

新島へ

島に着く頃には雨も上がり、講義が終わる頃には青空が広がっていました。到着後は普段の診療とは全く違う環境にワクワクしつつ、島の空気の温かさを感じました。
 

体育館での講話

講話は体育館の前方に椅子を並べ、檀上ではなく生徒と同じ目線で行いました。スクリーンが大きく、スライドもよく見えたと好評でした。実際の診療経験や睡眠研究を交えながら、心の不調への気付きやSOSの出し方、うつ病や睡眠障害の治療について解説しました。また、「人生の約3分の1は睡眠なので、質の良い睡眠を戦略的に取ることが大切」と強調しました。

体育館での講話
 

生徒たちの声

アンケートでは、生徒一人ひとりが率直な感想を寄せてくれました。ここでは一部をご紹介します。

  • 1年生からは、「精神科の先生は堅いイメージがあったが、話を聞いて寄り添ってくれると思った」「話しやすい雰囲気で、人に相談することの大切さがわかった」といった声があり、医師へのハードルが下がったことがわかります。
  • 2年生は「自分一人で抱え込んでも解決するのが難しいと分かった」「専門家に相談するメリットがわかった」と、相談の必要性を実感していました。
  • 3年生からは「精神科に行く姿をあまり見られたくない」という本音もありつつ、「優しく説明してくれたので理解できた」「なんとなくでも相談できそう」との感想が寄せられました。

講話の中で印象に残った点としては、「睡眠の仕組みやレム睡眠の話」「夢を見るタイミング」「動物の睡眠」「ストレスをためない方法」など、睡眠や心の健康に関するトピックへの関心が高かったようです。また、「やりたいことだけやる」「やりたくないことは無理してやらない」というメッセージが心に響いたというコメントも多く見られました。
 

教職員の感想

参加した教職員の方々からも、多くの気付きがあったとの声が寄せられました。

  • 「うつ病を『こころの風邪』ではなく『こころの骨折』と表現され、適切な時期に治療を受けることが早期回復につながると理解できた」
  • 「精神科へのハードルが下がり、今後症状があれば相談しようと思えた」
  • 「スライドが簡単なものから専門的な資料まであり、集中して見ることができた。起立性調節障害やナルコレプシーなど、教育現場で誤解されやすい子どもへの対応についても教えていただき、遠路はるばる本当にありがとうございました」

教職員の方々からは、精神疾患の理解を深めるとともに、「逃げることも大切」「戦略的撤退」という言葉が生徒の安心につながるといった声もありました。また、睡眠直前のスマホ使用を控えるなど、具体的な行動変容を意識したコメントもありました。
 

島の美しい風景に癒されて

講演後、新島の海岸に立ち寄る時間がありました。エメラルドグリーンの海と白い砂浜、迫力ある断崖が続く景観は、心を解き放ってくれます。生徒たちが日常を過ごす環境の豊かさを肌で感じ、今後も島しょ地域の子どもたちが必要な支援にアクセスできるよう取り組んでいきたいと感じました。
島の美しい風景に癒されて
 

帰りの様子

講義を終えた夕方にはすっかり晴れ渡り、帰りの飛行機からは緑豊かな新島と青い空が見えました。行きとは対照的に、安心して帰路につくことができました。
 

おわりに

新島高校の皆さんからは「面白かった」「精神のことを色々知れて良かった」「とてもためになる話だった」という感想も多数寄せられました。初めて精神科医と対面する生徒も多かったとのことで、心の不調を抱えたときに専門家へ相談するための第一歩になれば幸いです。当院では今後も地域の学校や関係機関と連携し、若い世代が健康について学べる機会を提供していきたいと考えています。
最後に、会場準備や広報にご協力いただいた森田先生を始めとする新島高校の皆様、講演を聴きに来てくださった関係機関の皆様に心より感謝申し上げます。
おわりに